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洗面器で手を消毒していた昔

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手指消毒に使われていた「逆性石鹸」

手指消毒に使われていた「逆性石鹸」

最近ではほとんど見ることがなくなりましたが、年配の人は、病院などでも医師が洗面器に手を浸けて消毒していたことを覚えておられるのではないでしょうか。

洗面器のような容器に入っている消毒液に、両手を浸け込む方法を「ベースン法」と呼びます。この方法は、長らく手指消毒の方法として行なわれていました。では、ここで使っていた消毒液は何だったのでしょうか。

ベースン法では、「逆性石鹸」と呼ばれる消毒剤が使われていました。手洗いで普通に使用される石鹸は、マイナスイオンの性質を持つ界面活性剤の一種です。それに対して、プラスイオンの性質を持つ界面活性剤の一種が逆性石鹸(ベンザルコニウム塩化物)です。逆性石鹸は「石鹸」と名がつきますが、洗浄よりも殺菌に適しているので、長く消毒剤として使われてきました。ただし、この逆性石鹸にも課題がありました。

  1. 汚れによって消毒効果が劣化する
  2. 効き目が出るのに少し時間がかかる
  3. 殺菌効果が高くないわりには手肌へのダメージがある

多数の人が同じ洗面器に手を入れて繰り返し使うベースン法では、どうしても消毒液が劣化します。何人もの人が使った段階では消毒効果は落ちてしまっています。消毒効果が落ちているだけならまだしも、そこで感染症の原因となる微生物の汚染されてしまうこともありえます。そのような理由から、しだいにベースン法は消えていきました。

ポピュラーになった「アルコール製剤」

その代わりに普及してきたのが、消毒剤を手にスプレーして擦り込む「察式法(ラビング法)」です。この方法であれば、いつでも新しい消毒剤で消毒することができます。そして消毒剤としては、逆性石鹸に代わってアルコール製剤が普及してきました。アルコールは速乾性で、擦り込むとすぐに効果を発揮してくれます。また脱脂など、手肌へのダメージはあるものの、逆性石鹸に比べるとそのダメージは小さいため、今では手指消毒剤としてもっともポピュラーな存在になりました。

たかが手洗い、されど手洗い

880万人の子どもたちの命が失われている

「手洗い」と聞いても、当たり前のことで大したことではないイメージがあるかもしれません。子どもの頃から、「外から帰ったら手を洗いなさい!」と言われて育ってきただけに、今さら「手洗いが大切」と言われても、あまりピンとこないのではないでしょうか。

しかし、実は手洗いが普通にできる環境がいかに貴重で、感染予防や食中毒予防に有効か、ということを考えてみる必要があります。日本は、衛生環境の整った国です。その条件のひとつが、水の環境が整っていることです。上下水道の整備が進んでおり、いつでもどこでもきれいな水で手を洗うことができます。

一方、現在でも開発途上国は、そのような衛生環境にはありません。現在、世界では年間880万人もの5歳未満の子どもたちが命を失っています。その原因の多くは予防可能な病気です。正しく手を洗うことで下痢性疾患や肺炎が予防でき、100万人もの子どもたちの命を守ることができると言われています。

手洗いは「不可欠な医療行為」

WHO(世界保健機関)は、世界の多くの患者生命を脅かす医療関連感染者を防ぐことを目的とした”Global Patient Safety Challenge (世界の患者安全への挑戦)”を企画し、その一環として”Clean Care is Safer Care(衛生的なケアが安全なケア)”というプログラムを立ち上げました。

このプログラムでは、医療関連感染を減少させるためには、国家的・国際的な手指衛生の継続的実施が必要不可欠であることが強調されています。プログラム推進に当たり、2009年5月、『医療施設における手指衛生のためのWHOガイドライン』を発表しました。WHOの手指衛生ガイドラインの冒頭には、「現在も世界中の毎年数億人が医療関連感染症(院内感染)に苦しんでいる」と書かれ、手洗いあるいは手指衛生を、「決して付加的な行為ではなく、それ自体が不可欠な医療行為である」としています。

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